FT-ONE の キーイング波形     

この機器はフルブレークイン機能があります。セミブレークインも勿論ついています。
気になるのはそのタイミングで、観測しました。
結果は頗る良好で流石にフルブレークインと謳っているだけの事はあります。下の写真の通りです。
他の機種で顕著だったStart Up Distortion はありません

キーヤー波形とアンテナ端子出力波形のタイミング写真です。
短点を一個だけ送出した状態ですが花火撮影モードで、ピントは合ってないですが情報収集の為には充分です。

上がアンテナ端子の波形、勿論50Ω終端抵抗器上のです。
下はキーヤーのパドルの短点側接点の波形です。
触り方で短くなったり長くなったりします。
横軸は10mS/divですから、約70mSだけレバーが接触した様です。

短点のトリガーから約12mS遅れて送信出力が発生しています。
後ろ側は今は検討対象ではありません。

尚、コレクター電流を約10Aに設定してキーイングしましたから約130Wの入力です。効率は分かりませんから出力電力は?です。

出力波形はアンテナリレーが切り替わる時間も含んでいます。
そのリレーの動作時間は7mS以下とデータシートにあります。

キーイング回路はなかなか凝っていて複雑です。
     

次にエレキー出力とアンテナ出力の関係を観測しました。
実際の短点波形、即ち、キーイング回路をトリガーする信号との時間関係で、今度は後ろ側も観測対象です。

エレキー出力の短点信号とアンテナ出力波形の関係です。

Start Up Distortion が無いので短点一個の状態でも、連続送出状態でも波形は変わりませんから連続状態で撮影しました。

例によって花火撮影モードでピンボケです。

今回は短点を連続で約11サイクルで送出した時の波形です。
信号の出始めは上の場合と全く同じです。約12mSの遅延。
後ろ側はキーアップと同時に出力が終わっています。

正に理想的なタイミング関係です。

前回も今回もフルブレークイン設定での観測で、リレーの音がカチカチします。

遅延時間を12mSに設定すると高速CWではマーク対スペースレシオが小さくなりますので、場合によっては他の通信モードで支障が出るかも知れません。

それに対してFT-101Z系ではどうでしょうか?